暑い暑い夏ですが、8日ごろには立秋を迎え、秋の訪れを感じ始める季節です
前半は夏の気分、中旬のお盆、帰省、後半の初秋と季節が移ろいます
朝露(あさつゆ)
朝に少し気温が下がってくると草葉に露がむすびます。日が昇るとすぐに消えてしまうので、儚いものの象徴。
一年中露は発生しますが、秋の朝によく発生するので秋の季語。
朝露の涼しげな様子を茶室に取りこみます。
蝉時雨(せみしぐれ)
蝉の鳴く声が木の上から一斉に降り注ぐ様が時雨のようであること。
暑い日には少しうんざりすることも多いですが、短い夏を精一杯生きている蝉の様子にセンチメンタルな気分になることも・・・。
暑い夏、子供のころの夏休み、夏が終わらないでほしいという願望を込めて。
積雲(せきうん)
入道雲、雲の峰などなど、夏に地表近くで温められた空気が上空に上がり、積みあがっていく雲です。
真青な空に白く高く、そこに山が出来るかのように盛りあがっていく雲。
暑い日の夕方、雨の到来を予想させます。
日輪草(にちりんそう)
太陽の光を受けるように向きを変える花、日輪草。ひまわりのこと。
夏らしい大輪の花を輝かせます。
派手で大きな花なので茶室に活けられることはめったにない。せめて銘でもご一緒しましょうか。
雲居(くもい)
雲がたなびく大空・雲、宮中・みやこ、はるか遠く。
お盆の時期です。雲を見上げて、遠くに去った方を偲んでお茶を戴きます。
盂蘭盆(うらぼん)
お盆ですね。ご先祖様が帰っていらっしゃるのでおもてなしします。
仏教では本来はullambanaの訳で餓鬼道に落ちた人を供養する法要で施餓鬼を意味するもののようです。
灯篭流し(とうろうながし)
お盆の送り火の行事の一種。お盆のお供え物などと一緒に灯篭を流す行事です。
最近は何でもかんでも川に流すのはよくないという事で、環境に負荷をかけにくい灯篭のみを流すことが多いですね。
インドのバラナシのアラティプージャでも同じようにお供え物や灯篭のようなものを流します。
空蝉(うつせみ)
蝉の抜け殻のこと。「現し身」”この世に生を受けている姿を指す”が転じて「虚しい身」の意。
セミの抜け殻を見ると夏の終わり、人生の終わりを考えてしまうものでしょうか。
源氏物語の第三帖。空蝉のように衣を脱ぎ置いて光源氏から逃げます。
秋風(あきかぜ)
お盆も過ぎると少し秋を感じさせるような風が吹いてきます。金風(きんぷう)素風(そふう)とも。
夏の終わりの秋風は涼しい季節の訪れを感じさせます。
中秋のころにはさわやかで実りを感じさせる秋の空。晩秋には少し寂しい風になります
撫子(なでしこ)
秋の七草の一つ。
「撫でし子」女性や子供を象徴する花。ヤマトナデシコはおしとやかな女性の意。河原撫子のことも指す。
センノウもナデシコ科に属する花。
鮎(あゆ)
8月の下旬になると東北地方や北海道では鮎の遡上の季節が始まります。落ち鮎、子持ち鮎といった名残の季節です。
鵜飼の鵜も鮎を獲ります。篝火に輝く鮎の鱗。
遠花火(とおはなび)
遠くで打ち上げられて光だけが見える様子。
花火の音だけが聞こえるのは何て言うんでしょう?これも遠花火でもいいのでは・・・
遠くの花火が夏が終わることを感じさせます。
虫の音(むしのね)
立秋を過ぎるころには虫が鳴きだすそうですが。
人間の耳に聞こえるようになるのは少し涼しい風が吹くようになってから。
秋の訪れを感じさせる、しみじみとした夕暮れ。
初嵐(はつあらし)
秋のはじめ、台風の前に吹く強い風のこと。
二百十日(立春から210日目・9月1日ごろ)、二百二十日(9月10日ごろ)は台風が来やすいとされる時期だが稲の花が咲く時期。
暑さを和らげる風が吹き少しほっとしながらも、稲のためにあまり強く吹いてくれるなと思う。
野分(のわき/のわけ)
台風の古称。二百十日ごろに野に生える草を吹き分ける強い風。
源氏物語の第二十八帖。都を台風が過ぎ春の草花をたくさん植えた六条院の庭も荒れてしまいます。
夕霧は紫の上の美しさ、光源氏と玉鬘の関係を見て心に台風吹き荒れます。