茶書を読む 山上宗二記 1

珠光の一紙目録これなり
それ御茶の湯の起こりは普光院(普広院)殿鹿苑院殿の御代より
御唐物、同じく御絵賛など歴々集め畢んぬ
その頃は御同朋衆 善阿弥、毎阿弥なり
両公方様ご他界の後
桂雲院十三の御年 御落馬故 ご短命なり。
その後 東山慈照院殿 御代に 悉く御名物寄せ給い畢んぬ
花の御所様へご家督を参らせられし時 
明皇院殿も御後見として
これまた都に残り給い畢んぬ
御名物等も少々渡し、その外 七珍萬寳の儀はその数を知らずと云々

村田珠光の秘伝書はこのようであった
それ、茶の湯の始まりは 足利義教様、足利義満様の時代から
唐物道具や詞書のある絵画など素晴らしいものをお集めになられました
そのころの同朋衆は善阿弥、毎阿弥でした
義教、義満、両公方様がお亡くなりになられた後
足利義勝様13歳の御時に御落馬なされた為ご短命で御座いました
その後、足利義政様の在位期間には名物を悉くお集めになられました
足利義尚様に家督をお譲りになられたときには
義政様の跡を継ぐ予定であった義視様も後見として
これまた都にお留まりになられました
その際には名物等もいくらかお渡しになられ、その他沢山の宝物を譲られました

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