その比 天下に御茶の湯仕らざる者は 人非仁に等し |
諸大名は申すに及ばず 下々 洛中洛外 南都 堺 悉く 町人以下まで |
御茶の湯を望む |
その中に 御茶の湯の上手 ならびに 名物所持の者は |
京 堺の 町人等も 大和 大名に等しく 御下知を下され |
ならびに御茶の湯座敷へ召され お咄の人数に加えらるる |
その頃、世の中で茶の湯を行わない者は 人で無いものに等しいという有様であった
諸大名は言うに及ばず 下々の洛中洛外、奈良、堺まで悉く、町人以下の者まで
茶会を催したがる
その中で、茶の湯の上手ならびに名物を所持している者は
京都、堺の町人たちも奈良に住まう者、大名にも等しくご命令なされ
茶室に召し出して御伽衆に加えられた