茶書を読む 山上宗二記 3

南都皇明寺に珠光と申すもの
この御茶の湯に三十ヶ年 身上を擲ち 一道に志深きものにて候
その次に件の二十か条の様子
その外孔子聖人の道も学び 珠光と相談の密伝 
口伝 残らず悉く申し上げ候
第一、雪の内には炉中の楽しみあり
御釜の煮え音は松風をそねむに 春夏秋共に面白き御遊興これなり

奈良の称名寺に住まう珠光という名の者
この茶の湯に三十年、財産をなげうち、ただ一心に茶の道に深く志す者で御座います
それから、例の二十か条(茶湯者之覚悟十体事及び又十体事)の様子
その他儒教など聖人の教えを学び、珠光と話し合って出来上がった秘密の作法
口伝いに教える作法など 悉く残らず申し上げなさった
まず、雪の季節には炉中の楽しみがある
釜の煮える音は松林の中を通る風を羨むがごとく 春夏秋いづれも面白い遊興はこれで御座います

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