夏越の祓

夏越の祓と言えばの水無月ですね。仙太郎製ですが小さめで食べやすい上品な感じのする和菓子です。鹿の子を煮るのは大変ですが、小豆水煮や甘納豆などを使えば基本はういろうなので家庭で簡単に作ることもできます。

仙太郎のお菓子は精製糖や保存料を極力使わずに作っているので、マクロビなどの食養生を実践している方でも比較的食べられるものが多いのではないでしょうか。とはいうものの、和菓子にはある程度の白砂糖や小麦粉などは必要になってきますので、食べるものを細かく制限していらっしゃる方やアレルギーのある方はお店で確認してくださいね。

今日は残念ながら雨がひどかったのでにゃんぶさんは茅の輪くぐりに行くこともなく過ごしてしまいました。茅を疫病除けに使うのは蘇民将来の伝説に由来します。

蘇民将来の伝説というのは素戔嗚尊(スサノオノミコト)の縁起として語られることが多いのですが、土着の信仰が神道と結びついたもののようです。

・・・あるところに蘇民将来と巨旦将来という兄弟がいました。兄の蘇民将来は貧しく粗末な家で暮らしていました。弟の巨旦将来は裕福でしたが冷淡な男でした。ある時、スサノオノミコトが身分を隠して兄弟のもとを訪れ一夜の宿を借りたいと申し出ます。先に弟の巨旦将来の家を訪れますが、冷淡な弟は断ってしまいます。(昔話でよくある展開です)兄の蘇民将来は貧しいながら、粟(あわ)を炊いてもてなします。後日、素戔嗚尊は再度、蘇民将来の家を訪れ、自分の名前を明かし、疫病が流行ったら茅で作った輪を腰につければつけたものは疫病から守られるであろうと教えます。ほどなく兄弟の住む地域に疫病が流行り、巨旦将来の一族は滅んでしまいましたとさ。

なかなかの残酷なお話です。日本の土着の神様は親切にした者に対してはお返ししてくれますが、それ以外の者には容赦ないですね。

この伝説が祇園牛頭天王やその他の風習と一体化して茅の輪くぐりや蘇民将来子孫也の護符、祇園祭りの粽などといったものが夏の行事として確立されていったもののようです。

祇園祭は7月の祭り、また、京都の下賀茂神社の夏越神事は8月の立秋の前日に行われます。どちらでも茅の輪くぐりが神事の中で重要視されるものです。一年を半年に分けてそれぞれ新年とする考え方はヒンドゥー歴にも見られます。日本で使われる暦(太陰暦)はもともと中国で作られたものですが、(太陰暦の)暦の作成はインダス・ガンジス文明の農耕社会と非常に強い関係性が有ったのではないでしょうか。

Continue Reading